モラル・ハラスメント先輩M子の場合②解決のために私がしたこと
頼んでもいないのに忠告しにくるひと
理不尽な言いがかりをやめてもらうために私がしたこと
それにしたってM先輩の行動はわたしにとって迷惑。
迷惑行為なんですよ先輩。
彼女と話す時間をつくりました。
彼女の言動はあまりにも穴だらけ。
彼女の言い分の矛盾する点を突きながら、一応事情も聞いた。
一つ一つ、嘘をつけないように。
〈 M子先輩への説教。長いので読み飛ばし推奨 〉
「先輩いいですか。怒りは人間にとって必要な感情ですよね。誰にも備わっているものです。だって誰かに侵害されそうになったり非常事態に遭ったりしたら怒るでしょ、誰でも。まわりに危険を知らせて危機回避するのが人間本来の姿だし。先輩は非常事態で怒らないの?普段は大した理由なく怒らないですよね、怒るために理由を探したりしない。でも必要があったら怒って知らせて自分を守る、それが人間。そうでしょ。
でね、私には怒る理由があって、ちょうどその話をしてた時に先輩はそれを見た。怒りって瞬間的な感情だからそもそも溜めこめないものですけど、談笑でも話題によっては怒ってるように聞こえることはあるかもしれない。でもあの時の状況では不自然なことは一切なかったですよね、あの時。違いますか?どう思います?それを『怒りを溜めこんでいる』『だからあなたは悪い』みたいなふうに言われるのって、どうなんですかそれ?
それに、あなたは雑談中のわたしを一瞬見ただけ。親しい友達でもなんでもないのに、どうしてその一瞬で「怒りを溜めこんでいるように見える」なんて突拍子もない判断をして、後日わざわざ言ってやろうなんて思った?何か別の意図があって用意していたとしか思えない。
つまり、それ、忠告とかでなく言いがかりなんじゃありません?わたしにしてみればそうです。言いがかりつけるなんていう下品なことを先輩にされる理由が思い当たらないの。わたし先輩の気分を損なうようなこと何かしました?どういう目的なの?それともあなた、道を歩いてるとき通りがかりの人にもそうやって毎度説教するわけですか?郵便ポストに向かって『あなた顔が赤いけど怒りを溜めこんでるでしょ』っていちいち説教したりするの?」
しっかり先輩の挙動を見据え。
静かに。
でもたたみかけるように問いただしてみた。
話しているあいだは、ずっと彼女の視線は泳いでた。
言葉では何とでも言えるけど人は目では嘘つけません。
案の定すぐに。
「あなたの話、抽象的でわかんない」
「その時に言われたならまだしも後で言われてもわかんない」
M子は逃げはじめた。
いやいや。
こちら具体的な話しかしていません。
どこに抽象的な部分あります?郵便ポストですか?それだったら抽象ではなく比喩ですよ。
最終的に。
彼女が絞り出した返事は、「覚えてない」だけだった。
ついぞごめんなさいの一言が言えなかった彼女。
「覚えてない」を3回くらい繰り返し、それで彼女の思考は止まった。
壊れていく人
ごまかし切れなくなって最後は。
「あなたなんて、仕事をやるために家庭を捨てた人だって、そうゆう人だって言われてるんだからっ!!」
的なことを言ってきた。 オマエのかーちゃん出べそ的なやつですね。
かぶせ気味に
「あ、でもその話は別の誰かが言ってたの。わたしはその時あなたを弁護してあげたのよ」
とも言ってきた。
やっぱりアホだったか。
なにか懐かしい感じのするアホさ。
まるで事実ではない、出所のあやしい虚言を持ち出して論点ずらした上に、あわよくば 「わたしはあなたを弁護したいい人」アピールをしようとする。
そういうひと、他にも知ってます。わたし。
ていうか、そもそもわたしの結婚生活やなにやらの一部始終を見ていない人に、何か言えることなど1ミリもありません。
そんな話をする立場に自分がいると思ってる時点ですでに、アウトです先輩。
あなた、壊れてますよ。
〈2回目の説教タイム 読み飛ばし推奨〉
「それも事実じゃないけど、何です? 誰が言ったの?それも覚えてない?話しの内容は覚えてるのに?おかしいですよね。誰が言ったのか覚えてないけど今あなたが言ったってのははつまり、今あなたが言ってるってことですよ。さっきのわたしの話しきいてました?そんなつくり話されたら傷つくからやめてって言ってるの。グーで殴られてるのと同じですよグーで。こっちだって殴られっぱなしってわけにいかないでしょ?もうやらないでもらえます?わかった?そう。じゃ、もし次にまたどこかで言いそうになったらどうする?どうするか言ってください。聞きたいから。また言いそうになったら?あなたが自分の頭でもグーで殴っといてもらえます?できる?できない?できないことなら、最初からやらなければいいですよね。言葉の暴力を。」
コイツに意地悪すると白昼堂々みんなの見てる前で恥をかかせられる、面倒なことになると思わせることが肝心です。
みんなが見てる前でというのが重要。
こういう人にコソコソでは効果ありません。すぐ忘れるから。
それにしても。
もう還暦にもなろうかという先輩に説教するとは。
でもすこしは素質があったのかな。
加害者になる素質
ちょっと視点を変えて。
なぜ彼女が嫌がらせをやりたい気持ちになったのか?
動機の核心をやんわり聞いてみようと思い、語りかけてみた。
先輩は、日頃会話の中でご自分の家の経済状況などをはさんできますよね。こちらが尋ねなくても。自ら話してこられることが多く見受けられるように思いますよ。それって、聞いてる側はちょっぴり忖度を強いられているような気持にさせられるんですけど、溜めこんでいるって、むしろそういうことじゃないかなぁ~?なんて。不安の種が常に心のどこかにあると、人ってそれを吐き出す場所を探してしまうものだし、つい他人にぶつけてしまうこともある、そういうのってありませんか?実はなにか不安を抱えてません?」
すると。
彼女もあっけらかんとした人だった。
自分のことをぽんぽんぽんとしゃべりだした。
彼女の不満
「父親は早くに亡くなったけど、母親は強く勉学を推奨してくれた人。わたしにすごく期待をかけてくれてた。わたしに勉強のためにお金を使ってくれたし、きょうだいも留学したり進学したりしたのよ。わたしはそういう扱いを受けて育った人なの。」
「でも別に今のライフワークが一番やりたかったことではない。本当は獣医になりたかったけど叶わなかったの。次に博物学にも興味あったんだけど叶わなくて。消去法で最後に残ったのがこれだったというだけだから。(だから別に成績をおさめていなくてもいいの)」
「でも自信のある自分と、自信のない自分の両方のが存在している。どんなに上手くできたと思っても、もっと優れた人の仕事を見ると途端に自信なくすのよね。あ、別にこれが夢ではないけど、でもこのあいだなんかはね、〇〇先生にね、あなたはもっと自信もっていいって言われたばかりなのよ。」
「わたしは発達障害の子どもを一人で育てるというハンデを受け入れてる。だからあなたの気持ちはわからないわ。」
「あたしは………あたしは男運がない。」
(出てくる出てくる。こんなに不満かかえてて生きづらくないです?)
そして彼女は言った。
「ねぇ、もうこの尋問終わってもいい?」
自分のことを吐き出し終えた途端、彼女は会話に興味を失った。
そしてこれ以上続けても、どこまでも話は交差しないだろうことをわたしも悟った。
だって、もともと彼女には生産的な主張などない。
もう追求やめますわ。でも、もう迷惑行為やらないって約束してくださいね。
と念押した。
M子はM子なりには言う。
「わかったから。もうあなたに関しては」
たぶんわかってないけどこの人。
でもわかったこともひとつある。
彼女の不満ポイントから察するに。
わたしのような、ちっぽけながら自己完結できるタイプにははかり知れない苦悩がありそうだと思った。
つづく