NO TITLE DAYS

人生の主人公である自分をとりもどそう

ドラマ『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』がまんまモラルハラスメントを描いてた。海外すすんでるなーという感想。

アメリカで制作されたドラマ『ハンドメイズ・テイル侍女の物語』みて驚いた。

日本ではハラスメントの認知度はまだまだ低いのに、海外はすすんでるなって思いました。

 

f:id:chocogumi:20180807223345j:plain

 

ギルアド(カトリックをこじらせてキルギスっぽいエキセントリック街道を選んじゃったような架空の国)の体制側が一方的につくりあげた身分主義の社会が舞台です。

 

女性がひどく虐げらる状況下、受け入れつつ抗うことをあきらめない精神をもった主人公・ジューン(侍女名:オブフレッド)の運命やいかに⁉といった、どん底絶望からのストーリー展開。なかなか目を覆うような場面の連続です。暴力的なシーンもすごいけど、子どもと引き裂かれるシーンとか本当にありえないぐらいひどい。

 

で、ストーリーの進行と逆行するように少しずつ主人公の過去を遡るエピソードが紹介されるという構成なんですが、その主人公目線の回想が小出し小出しで挟まってくるところに、制作者の主張と世界観のリアリティを感じます。

 

残念なのは、全米で話題になった衝撃作ということで期待していたもののいざ放送を見てみるとあまり理解できなかったという日本人の、ややピントのボケた感想がネット上に多くみられること。(思っていたほど刺激的じゃない、テンポ遅い、回想シーン飽きる、女性かわいそう差別反対、近い将来こんな社会になったら嫌だ…などなど)

 

人が人を支配したり都合のいいようにしたりすることを是とする構造は、すでにこの現代社会の姿そのもの。これは近未来の物語ではなく、すでに自分たちの住む社会の病巣の一端をあらわにさらけだすメタファーであって、そこに共感した人が多くいたということで話題を呼んだのではないかと思います。

 

抑圧を受け入れるしかない主人公は、それでも自己憐憫に溺れることなく、かわいそうな運命をたどる仲間への憐れみに酔うこともしない。自分がしてほしいことを他者にしてあげる精神みたいなビミョーないやらしさもありません。

(いや、他者にしてあげることは尊いことだと思いますよ。だけど自分の価値観を他者にどう扱ってもらいたいかという視点が入ってくるようなのは真の共感とはちょっと違うよね)

 

悲惨な設定だけどヘンなモヤモヤ残らない。

女の人かわいそう、とかいう目線でなく、想像や認知のディメンションをふやすために観て楽しむドラマということで多くの人に見てもらえたらいいんじゃないかしらと思います。

 

わたしも「ジューンがんばれー!」言いつつ(指のスキマから)一気に観ました。

 

 

 

最先端でエンターテイメントを作っている人たち、偉大なり。

シーズン2も楽しみです。

 

 

 


にほんブログ村